恐山ジオサイト

下北地域最大の観光地にして、住民の信仰の場として崇められる恐山。

第四紀の火山活動で誕生した周囲の山々がこの世とあの世とを隔てる役割を果たすとともに、カルデラ壁として凹地特有の環境を築きあげた。

カルデラ内では現在も噴気活動が続き、地球の営みを感じられる空間であるとともに、噴気により酸化された湖が、独特の生態系を生んでいる。

このジオサイトでは、地球が今もなお盛んに活動していることを感じられる。

場所による山の見え方の違い

恐山火山は朝比奈岳、大尽山、釜臥山など複数の山体からなり、カルデラ湖である宇曽利山湖を中心とした外輪山の総称です。人々が住む田名部平野から望むものは外輪山であり、恐山カルデラの内部は見えませんでした。霊場「恐山」は、カルデラ縁を越えた先にある世界として下北の人々に「山中他界観」を想起させ、現在も守り継がれる恐山信仰を広く根付かせました。

火山活動

恐山火山群は、約150万年前頃から形成が始まり、約30万年前にカルデラが形成されました。約10万年前以降は小規模な水蒸気噴火や宇曽利山湖周辺での噴気・熱水活動が見られるのみで、マグマは噴出していません。噴気孔周辺は黄色を呈する硫黄の結晶で覆われています。
菩提寺境内には温度の高い自然湧出泉があり、入山料を払った参詣者は入浴が可能となっています。

酸性環境の生態系

地質や地形に由来する特定の元素やpH、温度、光といった、局所的な物理化学的環境が、独特の生態系を育むことがあります。火山活動によって酸性環境となっている恐山では、多くの生物にとっては過酷とも思えるような環境に適応した生物が見られます(例えば、酸性度の高い宇曽利山湖のウグイ)。恐山に信仰の地が築かれた背景には、特徴的な大地とそこに生きる動植物が織り成す景観が、影響を与えたかもしれません。