薬研ジオサイト

津軽海峡に注ぐ大畑川の河口域に、漁業で栄える大畑の町が広がっており、大畑川を10kmほど遡れば、薬研カルデラの内側に入り、薬研渓流に至ります。

カルデラによる盆地性気候や火山の地熱がもたらす紅葉や温泉は、市民の憩いの場となっています。

秋には、漁獲を免れたサケやサクラマスが川を遡り、命をつむぎます。海につながり漁業を支える山間の河川生態系を、林業の歴史深き遊歩道で感じるジオサイトです。


薬研渓流の侵食地形

薬研渓谷内には貫入した硬い溶岩や柔らかいグリーンタフ、薬研カルデラを形成した火山性堆積物などが分布しています。大畑川の流路や屏風岩・大滝といった景勝はそれら地質によって規定され、水流が削りやすかったところに壁面や滝が形成されました。

薬研カルデラと紅葉

薬研地域は恐山と同じくカルデラ地形であり、その噴火時期は300~260万年前とわかっています。その噴出物はちぢり浜の景観を形成する主要な岩体となっています。江戸時代に温泉が見つけられ、河童にまつわる伝説も残っています。
カルデラは典型的な盆地地形で留まった空気は暖まりやすく冷えやすいため、昼夜の気温差が落葉広葉樹の紅葉を鮮やかにしています。

薬研渓流の生態系

渓流の流れに侵食された地形では、水面の上を覆うように川岸の林が発達します。落ち葉は川で分解されて栄養となり、海にそそぎます。また、枝葉から落ちた昆虫は、魚や鳥のエサとなります。
薬研渓流では希少なシノリガモが繁殖します。大木の洞穴に巣を作り、繁殖期には水生昆虫などを食べますが、海で越冬します。海と森をつなぎ、森と渓流の生態系を代表する生物です。