恐山ジオサイト

下北地域最大の観光地にして、住民の信仰の場として崇められる恐山。

第四紀の火山活動で形成されたカルデラが、下北の人々に山の中と外とは別の世界であるという「山中他界観」をもたらしました。

カルデラ内では現在も噴気活動が続き、地球の営みを感じられる空間であるとともに、噴気により酸化された湖が、独特の生態系を生んでいます。

下北ジオパークのなかで唯一海に面していないジオサイトですが、下北に守り継がれてきた信仰を知る上で重要な場所となっています。

霊場「恐山」

霊場「恐山」は約1200年前に慈覚大師円仁によって開かれました。高野山、比叡山とともに日本三大霊場と称されることもあります。
ゴツゴツした岩肌や噴気活動は地獄の風景に、湖を取りまく白い砂浜は極楽の風景に見立てられます。そして、下北の人びとには「死ねばオヤマさ行ぐ」という恐山信仰が伝えられてきました。

火山活動

恐山火山群は、約150万年前頃から形成が始まり、約30万年前にカルデラが形成されました。約10万年前以降は小規模な水蒸気噴火や宇曽利山湖(うそりやまこ)周辺での噴気・熱水活動が見られるのみで、マグマは噴出していません。噴気孔周辺は黄色を呈する硫黄の結晶で覆われています。

酸性環境の生態系

地質や地形に由来する特定の元素やpH、温度、光といった、局所的な物理化学的環境が、独特の生態系を育むことがあります。火山活動によって酸性環境となっている恐山では、多くの生物にとっては過酷とも思えるような環境に適応した生物が見られます(例えば、酸性度の高い宇曽利山湖のウグイ)。恐山に信仰の地が築かれた背景には、特徴的な大地とそこに生きる動植物が織り成す景観が、影響を与えたかもしれません。